コインサイドに生きる

広島で心理士をしています。心理のこと、趣味のこと、その他色々気付いたことを書いていきます。

ギャンブル依存症3

こんばんは。今回はケース・フォーミュレーションを行い、治療計画を作成するところからです。

このケースは何が要因で、なぜここまで維持しているのか、いったい何が問題で何を治療していかなければならないのかしっかり把握しておくことが大切です。ややもすると、「とりあえず話を聞いとけばいいや」といった「タクシーの運転手さんが客に目的地を聞かず勝手に走り出す」ことになってしまいますからね。


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○ケース・フォーミュレーションを行い、治療計画を作成する
・ケース・フォーミュレーションを行うために、面接や質問紙で得た情報を使用する。
・しかし、これはほんの最初のフォーミュレーションであって、プログラムが進むにつれて何度もフォーミュレーションが試みられることになる。←最初の仮説は絶対ではない!!治療が進むにつれ、治療計画も変えていく。
・クライエントが「変化の段階」のどこにいるかで、治療の最初の力点をどこに置くかが決まる

※変化の段階とは?
「前熟考期」自分のギャンブル行動と生活上の問題が関係していることに気付いていないため、問題があると思っていない。
「熟考期」自分がギャンブル問題に直面しているのではないかと考え始めるが、ギャンブルを続けるべきかやめるべきか、あるいは減らすべきかについては両価的
「準備期・決断期」ギャンブラーは取り組むべき問題があると考え、変化という選択肢を考え始める
「実行期」具体的に行動を変化させ始める。新しい対処スキルを教わり、古い非機能的な行動を置き換えていく
「維持期」ギャンブラーは何らかの変化を成し遂げ現在はこの変化を維持するために努力を続けている。

・「実行期」にいればすぐにプログラムを始める準備が出来ている
・「熟考期」にいれば、クライエントの変化への取り組みを高めることが重要
・治療計画を立てる際には即座に配慮すべき事項がいくつかある。
⇨自殺、住宅、職業、経済状況、重要な他者との対人関係の問題、法的な問題、身体的・精神的健康、支援(クライエントがプログラムを受けている間に十分なサポート・ネットワークを活用出来るようにする必要がある)

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今日はここまで。次回は、クライエントに治療の理論的背景や治療計画を提示するところから始まります。

アセスメントってとても大切。ここできっちり情報を収集することで今後の展開が大分違う気がします(自戒の意味を込めて…)