コインサイドに生きる

広島で心理士をしています。心理のこと、趣味のこと、その他色々気付いたことを書いていきます。

ストレスチェック結果の活用

こんにちは。祝日を如何お過ごしでしょうか。

私は月曜が休みなので今日まで三連休です。少し勉強しつつ、基本的にはまったり過ごさせてもらいました。

さて、前回書いたストレスチェックの記事のアクセスが結構伸びて、やはりストレスチェックは皆さんの気になるポイントになっているんだなあと再確認。

今回は個人のストレスチェック結果をどのように活用していくかを説明します(参考は前回と同じ本、「ストレスチェック 実施・活用ガイド」です)


さて、皆さんにはこんな経験はありませんか?中学時代実力テストを受けたはいいものの、結果が返ってきても全然見返すことなく、カバンの奥底でクシャクシャになっている…。結構テストあるあるなんじゃないかと思うのですがどうでしょうか。

別の例を出すと、皆さんは合宿部の執行部員です。月に1回サークル内で発表会を開き、後に部員同士で反省会を開きます。その時は非常に活発な議論が行われるのですが、その後議事録は読み返されることなく、過去の反省が生かされることないまま時間が過ぎていく…。これも割とあるあるだと思います。


つまり、「結果が返ってきたら、それをしっかり振り返り、今後に活かしていく」ことが大切なのです。これを言いたいがために長々と書いてしまいましたが、これってとても重要なことなんじゃないかと思うんです。

ストレスチェックをやったこと自体が重要なのではなく(重要なことには変わりないと思いますが)、それを今後にきっちり活かしていくことが最も大切なのです。



ストレスチェック制度の目的は、従業員本人が自身のストレス状態に関心を持つことです。厚生労働省が出している「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」という資料では、ストレスチェック結果のイメージ図が書かれています(http://takai-sr.blog.so-net.ne.jp/2014-09-29  このブログの下の方の図のような感じ)。

ストレスチェック結果を受け取ってハイ終わりなのではなく、「思ったよりもストレスが高いな、注意しよう」「身体反応が出ているな、早めに休養しよう」などの活用をしてみましょう。

ストレスチェック実施者は、この結果を見て、注意が必要な人に対しては面接をすすめるなどの対応をとります。高ストレス者が医師の面談を申し出た場合(結果が通知されて概ね1カ月以内)、医師によう面接指導を実施しなければなりません(これも概ね1カ月以内)。その後医師から必要な情報・意見を聴き、必要な就業措置がされる場合があります。

高ストレス者の場合、医師による面接の費用は会社負担です(高ストレス者ではない場合、会社負担ではありません)。

もし高ストレスだと判断されたら、これを一つのいい機会にして自分のメンタルヘルスを見直してみると、今後健康的に働く上でとても役に立つと思います。客観的に把握するだけめストレス反応が下がることもあるようです。危険サインに気づき、早めに休養することが必要です。「休養するほどの時間がない」とお思いの方もいるかもしれませんが、休養せずに倒れてしまうと、結果的にもっと長い時間休まなければいけなくなる可能性もあります。早めに気付いて、早めに対処が肝心です。

もし専門的知識が必要なのであれば、産業医または臨床心理士産業カウンセラーなど心理職のプロの他、保健師、看護師、精神保健福祉士に相談することも一つの手です。「相談・カウンセリングを受けることは弱い者のすることだ」と思われる方もいるかもしれませんが、悩みが大きくなっている時は考えが煮詰まっていることの方が圧倒的に多いため、誰かに聴いてもらうこと、誰かと話し合うことを通すと、目の前が開けてくることも少なくありません。

会社側は、ストレスチェック結果の読み方や、セルフケアについての研修を行い、従業員が結果をしっかり活用出来るよう配慮することが必要です。


今回はストレスチェック結果を活用することの大切さについて書きました。労力を考えるとなかなか複雑で面倒くさい制度ではありますが、前回記事にも書いたようリターンも大きい制度だと思います。