コインサイドに生きる

広島で心理士をしています。心理のこと、趣味のこと、その他色々気付いたことを書いていきます。

ギャンブル依存症4

こんばんは。最近カウンセリングの予約が多くなってきました。やはり冬が近づいているからなのでしょうか…暗い時間帯が多いので気持ちまで暗くなってしまいますよね。

今回は治療の理論的背景と治療計画を提示するところです。

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○治療の理論的背景と治療計画を提示する
・治療計画をクライエントに提示する前に、治療目標、プログラム参加に関する懸念、回復の性質、治療の理論的背景について、クライエントと話し合うことが重要⇦クライエントの動機づけと治療プログラムに対するコンプライアンスを増加させるのに役立つ
・ギャンブル行動をやめる、あるいはプログラムに参加することに対する恐怖は正常なものであると伝える⇨自分を変えるということは人を不安定にするものであり、どのような変化であってもわれわれに不安を引き起こすもの。不安を感じることは問題ないことであり、そのような不安は必ず減少するものであるということを伝える
・ギャンブル問題からの回復の性質について話し合う⇨回復過程には浮き沈みがあり、通常それはスムーズには進まない。ギャンブル行動をやめる、あるいはコントロールすることは難しいことだが、不可能ではない。
・治療理論的背景と構成要素を説明する⇨なぜ認知行動療法アプローチを用いるのかを説明する必要がある。近年、ギャンブル問題に対する認知行動療法の有効性が認められてきている。
・クライエントがプログラムをやり通す決断をした場合には、クライエントに治療契約書にサインするよう勧めさらにクライエントのモチベーションを高めるようにする。⇨セッションの時間と頻度を限定、目標とする行動について明確かつ詳細に話し合って記載、行動に随伴する条件についても記載(例:目標を達成した場合の日ごとや週ごとの報酬、目標達成できなかったときの罰金)など…

○宿題の説明
・ギャンブル行動をモニタリングするようクライエントに勧める⇨どんな習慣であっても、それをコントロールするためには自分のギャンブル行動を注意深く観察する必要がある
・ギャンブル行動モニタリングシートにギャンブルしたときはいつでも、出来るだけ早く埋めるようにする

※ギャンブル行動モニタリングシートに書き込むこと
・日時
・ギャンブル行動に先行するできごと
・ギャンブル状況前の思考と感情
・ギャンブル状況(どこで、誰と、使用可能な金額)
・ギャンブル状況時の思考と感情
・結果(使用金額、勝ち・負け)
・ギャンブル状況後の思考と感情

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次回はギャンブル行動を沈静化させるための心理教育とセルフ・マネジメント方策を学びます。