コインサイドに生きる

広島で心理士をしています。心理のこと、趣味のこと、その他色々気付いたことを書いていきます。

ギャンブル依存症

こんばんは。しらと申します。初めてのブログのタイトルが何だか不穏ですが、お許しを。

某県で心理士をしております。いわゆるカウンセラーです。社会人になって二年目、臨床心理士の資格をとって一年目です。なのでまだ駆け出しのぺーぺーなわけで、日々が勉強勉強でして。

このブログは読んだ本や研修をまとめて自分用に勉強したり、普段の臨床の中で気付いたことを書いていきます。他の日常系のことも恐らく書きます。

さて、今回のタイトル回収ですが現在読んでいる本がこちら
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これの左を絶賛読書中。なんでギャンブル依存症の本を読み始めているかというと初めてギャンブル依存症の患者さんと関わる機会が出来たからです。

読んでるだけだと頭からすり抜けていくので、この場を借りて勉強していきます。何か皆さんの参考になれば。

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ギャンブル依存症のための認知行動療法ワークブック』

○問題ギャンブルの発展と維持に影響を及ぼす要因
・自分に価値があることを示す、他者からの賞賛、反抗、ネガティヴな感情からの解放、大当たりをつかむ、退屈さを紛らわす、などなど…

○家族的要因
・問題ギャンブラーは家族にギャンブルの問題を抱えている人が多い
・遺伝によって伝達されるというエビデンスも存在する

○個人的要因
・パーソナリティ:衝動性と刺激希求性
・衝動性:よく考えずに行動すること⇦今のところ問題ギャンブルと最も強く関連するパーソナリティ
・刺激希求性:ある特定の問題ギャンブラーに見られる要因にすぎないという可能性⇦若年のギャンブラー、特定のギャンブルを好む人々治療を受けないギャンブラー、など…

○習慣的なギャンブラーがギャンブル中に覚醒状態になることを示す実証的なエビデンスはかなり多い⇦心拍測定、自己報告、質問紙によって測定

○ギャンブル問題で治療プログラムを受けているものの93%が少なくとも一つ以上のパーソナリティ障害の診断基準を満たす

○非合理的で否定的な思考
・ギャンブラーはギャンブルに関する様々な誤った信念を持ち続けており、莫大で継続的な損失をしているにも関わらず、ギャンブル行動を続けてしまう原因の一つ
・コントロール可能性の錯覚:これが生じやすくなるギャンブル状況だとギャンブル行動を継続しやすい⇦アルコール、ストレス抑うつなどの対処の難しい感情との関連

○ネガティヴな心理状態
・不安、抑うつ、ストレスのようなネガティヴな心理状態は、しばしばギャンブル行動の開始と継続、ギャンブル問題の重症度、ギャンブル問題のリラプスと関連
・自殺企図は非常に多い
・物質使用問題、気分障害、不安障害、パーソナリティ障害、ADHDなどと関連

○生物学・生化学要因
前頭葉の欠陥、化学的な不均衡、神経伝達物質システムの機能不全、生理学的覚醒といったいくつかの生化学的・生物学的要因が、問題ギャンブルと関連している
ドーパミンに関するエビデンス:遺伝的、環境的要因によって、脳内の報酬系におけるドーパミンの量が少ないが不十分である人々は、不安が高く、渇望的で、健康的ではない傾向⇦こうした感情を置き換えるために、ギャンブラーはこうした欠乏を直ちに打ち消してくれるような行動を行う

社会学的要因
・ある特定の集団には他の集団と比較してより高い割合でギャンブラーが存在する:無職、社会経済的地位の低い人々、学歴の低い人々…
・学校との繋がり、家族との繋がりが薄いことが、問題ギャンブルと関連
・ギャンブル行動への敷居の低さとアクセスのよさが問題ギャンブルの有病率の高さと関連している
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とりあえずここまで。
勉強すべきこと、したいことが多すぎる、というのは大変なことであり、しかし幸せなことでもありますね。